事例紹介

- CASES -

ハートランドフェリー、オクシリアイランドフェリー

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ハートランドフェリー株式会社

導入対象

稚内利尻礼文航路就航船舶（アマポーラ宗谷、サイプリア宗谷、ボレアース宗谷）
所在地

稚内市開運2-7-１
旅客定員

夏期／550名、夏期以外／475名～500名
就航

平成20年5月～（サイプリア宗谷）
導入機器

アクセスポイント機器100台（3隻の合計）

オクシリアイランドフェリー株式会社

導入対象

江差奥尻島航路就航船舶（カランセ奥尻）
所在地

北海道奥尻郡奥尻町字奥尻309番地先
旅客定員

460名
就航

平成29年5月～
導入機器

アクセスポイント機器31台

◆ハートランドフェリー、オクシリアイランドフェリー（公式サイト）

稚内と利尻島・礼文島結ぶハートランドフェリー

ハートランドフェリー株式会社では、利尻島・礼文島と稚内を結ぶフェリー航路を運航しており、いずれの船舶も快適な船旅を提供しています。
船内設備には、2等室、1等室、特別室といったさまざまな客室があり、加えてキッズルームやバリアフリー席も整備されています。このような設備により、さまざまなニーズに対応し、乗客の皆さまに快適な旅をお届けしています。
ハートランドフェリーのロゴの『H』には、「ハートランド」だけでなく、「北海道」、「ホスピタリティ」、「ハートフル」という多様な意味が込められており、その理念に基づいたサービス提供を行っています。

※利尻富士とサイプリア宗谷

※1等ラウンジ席（左）と特別室（右）

江差と奥尻島を結ぶオクシリアイランドフェリー

オクシリアイランドフェリー株式会社では、奥尻島と江差町を結ぶ航路を運航しており、船上からは奥尻島ならではのダイナミックな景色を楽しめます。
本船の特徴としては、2等室にパウダールームと繋がるレディースルームを備えており、特別室には和室タイプの「プレミアムブルー」が利用できる点が挙げられます。その他にも、キッズルームやバリアフリー席、ペットルームも完備されており、快適な船旅を送ることができる設備が充実しています。
船名の「カランセ」は、オクシリエビネという奥尻島に咲く可憐な薄紫の花の学名より命名しており、花言葉に「誠実」という意味が込められています。

※航行中のカランセ奥尻

※レディースルーム（左）と特別室「プレミアムブルー」（右）

通信環境の整備で安全な船旅を提供したい

航行中の船舶への通信環境整備は、海運事業者にとって長年にわたる重要な課題として位置づけられています。ハートランドフェリーとオクシリアイランドフェリーの船舶でWi-Fiの導入を検討し始めた当時、海上通信の手段としては衛星電波が唯一の選択肢でしたが、衛星を介した通信は電波の微弱さと通信コストの高さが大きな障壁となり、設備の導入は一時中断を余儀なくされました。
数年後、知床沖で発生した海難事故において通信機器の不備が救助活動の遅延要因として上げられ、その教訓から海上での通信環境整備の重要性が再確認されます。この事故を契機に北海道の海上での安全を確保するため、航行中のフェリーに対するWi-Fi設備導入に向けた積極的な取り組みが始まります。
当社とも取引のある大丸株式会社より、旅客運送の通信設備におけるノウハウを持つ当社サービスの紹介を受けたことがきっかけで、フェリーへのWi-Fi環境整備プロジェクトは本格化しました。

ファイバーゲートの提供する「Wi-Fi BUS®」

航行中の快適なWi-Fi環境実現に向けて

工事は、地上のフリーWi-Fiスポットと同等レベルの通信速度を、航路上の平均値で提供するという目標を条件に開始されました。3,000～4,000トン級船舶への設置工事を行うにあたって最大の障壁となったのは、微弱な電波の増幅方法でした。
海上の船舶では、基地局からの距離が遠いことから電波が減衰しやすく、金属製の船体により電波が遮断されやすい等の特徴があります。（参考：国土交通省資料）
また、回線工事は停船中に限らず通常航行中も行う必要があり、工期と作業可能な時間に大きな制約もあります。

当社の設置工事チームによる導入計画は、約半年の工期で開始されました。遮蔽物が多い環境において、電波を確保する上で最も重要なのはアクセスポイントの設置場所です。回線が安定する場所を探し、設計書の修正と試行錯誤を繰り返すことで、目標の通信速度は達成されました。この度設置したアクセスポイントで採用している『チャネルボンディング』も、フェリーという環境に適したシステムであることが評価されています。